
教育業界において中堅規模の企業が抱えていたブランドの方向性と社内浸透の課題に対し、Practical Marketingではマーケティングの視点から一貫した支援を行いました。本事例では、ブランド再定義からビジョンの言語化、アウトプット制作、社内への浸透支援までをどのように実施したかをご紹介します。
導入企業の概要
企業属性:首都圏/教育業界/従業員200名規模
サービス内容:個人向け教育コンテンツ販売
マーケ部門の体制:専任なし、経営直下で広報施策を検討中
本事例の支援先は、首都圏を拠点とする従業員200名規模の教育系企業です。個人向けに学習教材や教育コンテンツを展開し、長年にわたり高い顧客支持を得てきた企業で、業界内でも安定した実績を持つ存在です。
一方で、創業以来の価値観や事業スタイルが変化する中、より時代に合った形で「自社らしさ」や「企業の存在意義」を見つめ直すタイミングに差し掛かっていました。マーケティング体制が未整備で、広報活動やブランディングは経営直下で検討されている段階でした。
クライアント課題
ブランドの成長が企業規模や展開に追いつかず、事業ビジョンと外部イメージに乖離が生じていた
広報や広告施策が場当たり的で、戦略的なマーケティング活動が定着していなかった
制作物が“伝える”よりも“説明する”ことに終始し、ブランドとしての一貫性や表現力に課題があった
企業としては成長を続けていた一方で、発信の軸が定まらず、社内外における「自社の在り方」が曖昧になりつつある状況でした。
特に、広報やブランディングの担当が不在の中で制作物だけが先行し、コンセプト不在のまま発信を続けていたため、伝えたい価値と伝わる印象にズレが生まれていました。
また、都度発生する施策に追われてしまい、全社としての統一感あるマーケティング戦略を描けていないことも大きな課題のひとつでした。
支援のプロセスと施策内容
市場や競合の整理を踏まえ、ブランドの再定義とポジショニングの明確化
企業ビジョンやステートメントの言語化による発信の軸づくり
LP・パンフレット・スローガン等の制作物におけるトーン&マナーの統一
経営陣と現場の意識をつなぐワークショップ形式の伴走型支援
初期フェーズでは、外部環境と自社の立ち位置を整理するために、市場・競合分析を実施。企業が本来伝えるべき価値や強みを明確にし、ブランドの再定義を行いました。
それをもとに、社内外の発信の中心となるビジョンやステートメントを言語化。抽象的になりがちな言葉を、現場でも使いやすい表現に落とし込むことで、実際の運用にもつなげやすくしました。
また、LPやパンフレット、スローガンなど複数の制作物において、トーンや表現の統一ルールを設け、ブランド全体の一貫性を強化。単発施策に終わらない継続性を持った発信体制を整備しました。
支援の後半では、ワークショップ形式で経営層と現場が一体となる場を設計。形式的な落とし込みではなく、対話を通じた「自社らしさの言語化・共有」に重きを置いたことで、社内への自然な浸透を図ることができました。
得られた成果
制作物の発信力が向上し、従来の約2倍の反響・問い合わせを獲得
広報や営業現場で「自信を持って使える」ブランド素材が整備された
社内に「自分たちらしさを外に伝える」という意識が浸透
短期施策中心から、1年単位で戦略を描く体制へと進化
支援開始から数ヶ月後、Webページやパンフレットといった制作物の反響が顕著に向上。
特に問い合わせ数は、同じ配布チャネルにもかかわらず過去比で約2倍の成果を記録しました。
また、以前は「資料として配らなければならない」存在だった制作物が、営業や広報担当者が“使いたくなる”コンテンツへと変化。社内での活用頻度も高まり、情報発信への前向きな姿勢が社内に波及しました。
さらに、短期的な広報活動に追われていた体制が見直され、中長期の戦略設計を前提としたマーケティング視点の導入が可能に。経営層と現場の共通理解のもとで、次のフェーズに向けた取り組みが自然と動き出す状態が整いつつあります。
クライアントの声
「“こういうことが言いたかった”を、私たちに代わって言語化してもらえた感覚でした。
これまで制作物は“何を伝えるか”ばかりに意識が向いていて、会社として“何をどう発信すべきか”を深く考える機会がなかったんです。
Practical Marketingさんと対話を重ねる中で、自社の本質や方向性に向き合うことができたのが大きかったです。
単なる制作支援ではなく、ブランドの土台づくりから一緒に伴走してもらえた実感があります。」
ご支援を通じて
本案件では、パンフレットやLPといったアウトプットそのものよりも、「その前に何を語るべきか」を整理することに重きを置きました。
ブランドの方向性が曖昧なまま情報を発信しても、どれだけ見た目が整っていても本質的な成果にはつながりません。
だからこそ、私たちはまず“何を言うか”の言語化と、“どう伝えるか”の一貫性づくりからご一緒しました。
特に印象的だったのは、経営陣と現場メンバーが対話を重ねながら「自分たちらしさ」を言葉にしていく過程です。
組織としての成長に、マーケティングが自然と組み込まれていく——そんなプロセスをご支援できたことを嬉しく思います。
