
本事例では、観光振興を目的とした地方自治体が抱える「情報発信の非効率」と「ターゲット不明確」という課題に対し、
現地調査・データ分析・ペルソナ再設計を軸にしたマーケティングリサーチを実施したプロジェクトをご紹介します。
行政の枠を越え、“感覚ではなくデータに基づく観光戦略”を構築することで、発信効果と来訪者数の両方を向上させました。
導入企業の概要
- 中部地方に位置する地方自治体(人口約8万人)
- 観光・地域ブランド推進を担当する部署が主導
- 年間観光客数はコロナ禍以降に減少傾向
- 既存の施策はイベント中心で、ターゲットが曖昧だった
- 若年層・ファミリー層へのリーチが課題
本事例の支援先は、地域観光資源を活かしたプロモーション強化を目指す地方自治体です。
データ分析の仕組みがなく、担当者の経験や勘に頼った施策が中心でした。
Practical Marketingでは、客観的データを活かした“リサーチ主導型プロモーション戦略”の立案から実行までを支援しました。
クライアント課題
- イベントやSNS発信のターゲットが明確でなく、効果検証が難しかった
- 予算・人的リソースが限られており、属人的な企画運営に依存していた
- 外部委託先ごとに方向性がバラつき、自治体ブランドとしての一貫性が弱かったかった
特に、「誰に・何を・どのように発信するのか」 の整理ができていなかったことで、
施策ごとの断片的な発信に終始していました。
支援のプロセスと施策内容
① 現状分析と課題抽出
- 既存資料・SNSデータ・観光統計を分析し、来訪者属性と行動パターンを可視化
- アンケート調査や街頭ヒアリングを実施し、地域イメージの実態を把握
- 発信施策の評価指標を整理し、効果検証の枠組みを明確化
② ペルソナ再設計とターゲット定義
- 訪問目的や動機に基づき、3タイプのターゲットを設定
┗「地元体験を求める近隣層」
┗「写真映えを重視する若年層」
┗「家族旅行志向のファミリー層」 - 各層の価値観や行動特性を整理し、発信トーンとメッセージを最適化
③ データに基づく戦略立案と運用体制の構築
- 観光ポータル・SNS・紙媒体の役割を再定義し、メディア配分を最適化
- 外部委託業者との連携方針を明文化し、企画〜検証までの流れを標準化
- 職員向け研修を通じてデータ活用と成果検証のスキルを定着化
- リサーチ結果を「施策判断の共通言語」として組織内に浸透
本プロジェクトでは、データを集めて終わりではなく、“意思決定の基準”として使える形に整えることを重視しました。
数字と現場感の両方を踏まえた戦略設計により、部署間での共通認識と継続的改善の文化が育まれています。
得られた成果
導入効果サマリー
- 来訪者数:前年比 +28%
- 公式SNSフォロワー数:+45%増加
- 発信投稿の平均エンゲージメント率:約2倍
- 職員の施策検証・共有体制が定着し、外部業者任せから脱却
“データで語れるようになった”ことで、次年度予算策定にも具体的な根拠を示せるようになり、
組織全体の意思決定スピードが向上しました。
クライアントの声
「これまでは“なんとなく若い人向けに”という発信ばかりでしたが、
リサーチを通じて明確なターゲット像が見えたことで、施策の手応えが数字で分かるようになりました。
職員間でも共通の指標で会話できるようになったのが大きな成果です。」
ご支援を通じて
本案件では、リサーチを“報告書づくり”ではなく、
戦略と現場をつなぐためのコミュニケーション設計として活用しました。
Practical Marketingは今後も、自治体や地域団体におけるデータ活用型ブランディングを通じて、
地域の魅力を持続的に発信できる仕組みづくりを支援していきます。
貴社の課題や目標に合わせて、最適なマーケティング戦略と実行支援をご提案します。
まずはお気軽にご相談ください。
